心臓外科手術(僧帽弁形成術)を開始しました

ファミリー総合動物病院では、循環器専門医による心臓外科手術(僧帽弁形成術)を行っています。

■僧帽弁形成術とは?

心臓の中には、右心房・右心室・左心房・左心室という4つの部屋があります。
僧帽弁とは、左心房と左心室の間にある、血液の逆流を防ぐための「フタ」の役割をするものです。
犬に多い心疾患である「僧帽弁閉鎖不全症」では、心臓の収縮時に僧帽弁がしっかり閉じなくなり、血液が左心室から左心房へ逆流します。
この逆流は、僧帽弁自体や、僧帽弁につながる腱索の構造が崩れることにより生じます。
僧帽弁形成術は、構造が崩れてしまった弁を外科的に修復することで逆流を改善する手術です。

専門的な知識・技術が必要なため、実施できる動物病院が限られています。

■手術のながれ

《術前検査》

手術を行う前に、血液検査、X線検査、超音波検査などの術前検査を行います。
心臓の超音波検査は最も重要な検査であり、血液の逆流の程度や左心の大きさを評価します。
また、実際に心臓が収縮する様子を観察することで様々な情報が得られます。

《麻酔》

手術時には全身麻酔をかけます。
麻酔薬を注射し、気管チューブを挿管後、吸入麻酔で麻酔を維持します。
術中は、心電図や動脈血酸素飽和度(SpO2)や動脈血圧、直腸温などをモニタリングし、定期的に記録します。

《人工心肺装置を用いた僧帽弁形成術について》
(人工心肺装置)

僧帽弁形成術では心臓を切開するため、心臓を一旦止め、人工心肺装置による体外循環を行います。
体外循環により、心停止中にも血液の酸素化やろ過し、生命を維持することができます。
手術では、頸部の血管に送血管・脱血管を挿入し、人工心肺装置とつなぎ血液を循環させます。
その後人工心肺装置を動かしながら、心臓を停止させ、左心房を切開します。
切開後に僧帽弁の観察・修復を行い、縫合後、心拍を再開させます。

《入院について》

僧帽弁形成術を受けた症例では、慎重な術後管理が必要になります。
酸素室の中で心電図や尿量などをモニタリングし、安定した状態を維持するようにします。
通常は、約10日間程度の入院が必要になります。

■当院では、僧帽弁閉鎖不全症に対する内科治療から外科手術まで幅広い治療を行ないます。

近年は僧帽弁形成術によって投薬が必要なくなるワンちゃんも増えてきています。
当院では僧帽弁閉鎖不全症に対する内科治療はもちろんのこと、外科治療まで視野に入れた幅広い治療法を考慮しご提案します。

 「うちの子は心臓病だろうか?」
 「僧帽弁閉鎖不全症があるけど外科手術をしたほうがいいだろうか?」
 「費用はいくらぐらいかかるだろうか?」

など、心臓病や心臓外科手術について気になることがある場合はお気軽にご相談ください。