今回は実際に千葉どうぶつ総合病院で行われた、軸椎骨折整復手術の症例についてご紹介いたします。
基本情報(患者情報および状態の所感)
- 犬種:柴
- 年齢:6ヶ月
- 性別:雌
- 体重:4.0kg
- 主訴:他院より紹介。環軸亜脱臼の疑い。
実例(検査~手術~術後までのプロセス)
検査所見
CT撮影、X線検査
・軸椎の骨折を認める。
以上より骨折と診断し、軸椎骨折整復手術を実施した。
手術所見
以下簡単な手術の流れになります。
- 仰臥位に保定し頚部を伸展
- 頚部腹側皮膚を正中切開、胸骨舌骨筋を正中で剥離し気管を露出
- 胸骨甲状筋を甲状軟骨近位で切断
- 気管を左側に牽引し、頚長筋を露出
- 頚長筋に出血等の肉眼的な異常は認められず
- 頚長筋を剥離し、環椎尾端から第3頸椎にかけてを露出
- 骨折部を確認
- 軸椎骨折片尾側側を先鋭骨保持鉗子で保持し、腹尾側に牽引して骨折部を整復
- 1.5mmLCPプレート4穴×2を用いて骨折端同士を固定
- 定法通り閉創
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術後所見
全身状態は緩徐に改善傾向、経過に問題無い為、1週間の入院後退院となりました。